他の薬物や食品サプリメント

専門家は、時折DMDの治療に使われることのある、様々な薬やサプリメントについて検討しました。専門家は、これらの薬やサプリメントに関する論文を読み、推奨に値する安全性と有効性の十分なエビデンスがあるか否かを検討しました。

専門家は以下のような結論を出しました。

  • タンパク同化ステロイドであるオキサンドロンの使用は薦められない。
  • 関節拘縮の治療または予防のためのボトックス治療は、DMDに対する安全性の研究が十分ではなく、薦められない。
  • クレアチンの体系的な使用は支持されない。DMDの患者さんを対象にして行われたランダム化比較試験では、明確な有効性が示されなかった。クレアチンを服用中の患者の腎臓に問題がおきた際は、服用を中止する必要がある。
  • コエンザイムQ10, カルニチン、アミノ酸(グルタミン、アルギニン)、抗炎症薬/抗酸化作用薬(魚油、ビタミンE、緑茶抽出物、ペントキシフィリン)、他のハーブや植物系の抽出物など、DMDの治療に使用される他のサプリメントや薬については、現時点では推奨されない。出版されている文献上、十分なエビデンスがないと専門家は結論付けた。
  • 専門家は、これらの領域は、更なる研究が必要であるとの意見で一致した。患者さんご家族の、患者レジストリー、臨床試験などへの積極的な関わりが促されるべきである。

ステロイドは専門家が推奨する唯一の薬物です。Box4にあるような薬がかなり広く使われていますが、これらのサプリメントが本当に有効かどうかを言えるような、十分な証拠はありません。そうしたサプリメントの使用や中止を考える前に、全ての薬物治療について、主治医とよく相談することが必要です。

ステロイドの主な副作用は一覧表の通りです。薬の量の維持や増量の際、考慮しなければいけないことは、治療への反応、体重と発育、副作用が出ているかどうか、および管理できるかどうかです。

専門家の共同声明に基づく情報(2010年1月に出版)